飯嶋 桃代 IIJIMA Momoyo彫刻


PROFILE

1982年 神奈川県生まれ
2006年 女子美術大学 芸術学部立体アート学科 卒業
2008年 女子美術大学大学院 美術研究科修士課程美術専攻立体芸術研究領域 修了
2011年 女子美術大学大学院 美術研究科美術専攻博士後期課程 修了 博士(美術)
2016年 FIELD OF NOW 2016(銀座洋協ホール/東京)
2015年 新進芸術家育成交流作品展 FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2015-2016(茨城県つくば美術館/茨城)
見ざる言わざる聞かざる(シャトー2F/東京)
Home Bittersweet Home―カケラのイエ展(shiseido gallery/東京)
2014年 飯嶋桃代展(ヨコトリ応援プログラム with セゾン現代美術館、ヨコハマグランドインターコンチネンタル/横浜)
パランプセスト重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き(gallery αM/東京)
With HWD―女子美の石(ギャラリーせいほう/東京)
2013年 format-B(コバヤシ画廊/東京)
colorful stars in the white heavens Ⅱ(ギャルリー東京ユマニテ/東京)
2011年 【論文】「イエ」をめぐる制作—近代的「家族」の批判的検討(女子美術大学)
2010年 『「イエ」をめぐる制作―記号から記憶へ』(「女子美術大学研究紀要第40号」(女子美術大学、平成22年3月))

ARTIST STATEMENT

近年、私は「家族」のありかたというものを主な制作のモチーフとして取り上げている。
 中でも、<開封のイエ>というシリーズでは、古食器や古着を鋳込んだワックスの塊を、事物ともども家型にカッティングしたものであり、家族共同体の束縛と安心という両価性に狙いを定め、それを暴力的に乗り越えることをこころみている。また、カッティングつまり切断という行為が意味するように、家族が社会から切出され、連続性を失っている現代の有り様と、また、逆説的に見いだされる社会との連続性を浮かび上がらせることも目指している。
 また、「家族」という共同体的存在に注目していくことで、個人のありかた、また家族を超えた個人同士の繋がりというものにも制作は派生している。共同体という、かたくなな繋がりを批判的に捉え返すことで、その構成員としての個人の現代的在り方を再考し、「家族」のあらたな共同性に目をむけることを目的としている。また、ひいてはその目線は家族の外部にまで、地域や国家にまでとどくものではないだろうかと考えている。
 いずれの制作にしても、まず手に取る素材は人の記憶のしみついた、生活に使われた事物である。それらの事物には個人の、又は家族の、さらには地域や国の記憶を包含しているように私には思えるのだ。それらの事物のおかれている文脈を変容する事で、その事物を所有、使用していた人物や組織の固有名を剥奪し、匿名性をおびた普遍的な存在として作品にたちあがらせようという企みを持って制作している。


IIJIMA Momoyo

開封のイエ―family
彫刻/パラフィンワックス、ガラスの食器、アクリル板 130×37.5×50cm×11 2015年-2016年

<参考>

IIJIMA Momoyo

Home Bittersweet Home―カケラのイエ展
(shiseido gallery/東京)
彫刻/古食器、パラフィンワックス 2015年 撮影 加藤健

IIJIMA Momoyo

パランプセスト重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き
(gallery αM/東京)
彫刻/ウエディングドレス、パラフィンワックス 2013年 撮影 木奥惠三

IIJIMA Momoyo

開封のイエ 1
彫刻/古食器、パラフィンワックス 55×72×54cm 2010年
撮影 末正真礼生